土地の価格を知ろう
自分の持っている土地は一体いくらくらいの価値があるんだろう?
自分が買おうとする土地は一体いくらくらいの相場なんだろう?
このような疑問を感じたことはないでしょうか。
最近ではインターネットが発達したお陰で瞬時に情報を検索できるようになりました。
そのため、あるエリア・ある条件を入力すると現在売り出しとなっているマンション・一戸建て・土地・アパート・ビルに至るまで、ほとんどの価格が比較できます。
それらの価格や相場を形成する目安として『公的土地評価』があります。
今回は『公的土地評価』について記していきます。
まず大原則として、土地や建物などの不動産取引において「価格」は当事者同士の自由です。
そのため、あくまで不動産の価格は「時価」であるといえます。
ただ、「時価」であるとはいえ何も目安がないと適正な地価形成が図れず、バブル景気のような好ましくない地価の高騰が起きかねません。
そこで『公的土地評価』の出番になります。
先に大変わかりづらいことを書いてしまいますが、ひとことに「公的土地評価」といっても4種類も存在します。
なぜかというと、それぞれ土地評価の目的が異なるためです。
以下、順に4つの公的土地評価を記します。
《 このページの目次 》
➀地価公示
根拠法:地価公示法
評価機関:国土交通省 土地鑑定委員会
価格時点:1月1日(毎年)
全国の各地域で「標準地」を設定して2名の不動産鑑定士に鑑定評価を求めた上で調整して公示します。
この価格はあくまで時価ではありませんが、最新の取引事例などを基にして不動産鑑定士により算出されていることから一応の土地価格時価の目安といえるものです。
➁都道府県地価調査
根拠法:国土利用計画法施行令
評価機関:都道府県知事
価格時点:7月1日(毎年)
地価公示と同様に「基準地」を設定して不動産鑑定士に鑑定評価を求めた上で調整して公表します。地価公示の価格を100%とした場合、都道府県地価調査もほぼ同じ水準となります。
地価公示と同水準となるよう調整されていることから、この価格も一応の土地価格の時価として目安となるものです。
③相続税評価(相続税路線価)
根拠法:相続税法
評価機関:国税局長
価格時点:1月1日(毎年)
市街地内の道路(路線)ごとに標準的な土地を設定して価格をつけます。市街地ではない地域では路線価をつけず「固定資産税評価額」に評価倍率表による一定の倍率をかけて算出します。地価公示の価格を100%とした場合、相続税路線価は80%程度の水準となるよう調整されています。
相続税評価(相続税路線価)は、相続税の計算をするときに土地の評価を算出するためのものです。そのため、土地の時価を知るためというよりは、土地価格が前年比でプラスかマイナスかなど大筋の傾向をつかむために利用すると良いでしょう。
➃固定資産税評価(固定資産税評価額)
根拠法:地方税法
評価機関:市町村長(東京都23区は都知事)
価格時点:1月1日(3年毎に評価替え)
すべての土地(非課税地を除く)・家屋・償却資産を対象として、総務大臣が定めた固定資産評価基準にもとづいて市町村長が価格を決定します。土地と家屋の評価額は3年に1回の頻度で価格の見直しがあり、これを「評価替え」といいます。地価公示の価格を100%とした場合、固定資産税評価は70%程度の水準となるよう調整されています。
固定資産税評価(固定資産税評価額)は、実務的に大切な公的指標です。この評価額を基準として、不動産取得税や登録免許税を算出したり、相続税路線価のない倍率地域においては相続税評価を算出する基にもなっているからです。
このように土地の価格評価だけでも4種類もあり、俗に『一物四価』などと揶揄されるくらいわかりづらいものとなっています。
不動産取引の実務では、このような評価を参考にしながらエリア特性や相場を加味して実勢価格(時価)を決定しているのです。
土地や建物について迷ったら、「そうだ、行政書士に相談しよう」と気軽に声をかけてください。
当事務所では宅地建物取引士としての不動産コンサルティングも承っております。