健康第一⁉ 団体信用生命保険とは?

住宅ローンを組むとき、皆さんが注意することは何ですか?

固定金利 or 変動金利の検討?

金融機関をネット系にするか、メガバンクにするか、地銀にするか、信用金庫にすることでしょうか?

それとも頭金(自己資金)をいくら入れるか、ローン借入額をいくらにするかの検討でしょうか?

もちろん、どれも非常に重要な要素ではありますが、実はどれよりも大切な項目が1つあります。

それが「団体信用生命保険(通称:団信だんしん)」です。

今回はこの団信について記してみます。

なぜ団信が大切なの?

団信とは生命保険のことを指します。

住宅ローンで金融機関からお金を借りるだけなのに、なぜ保険が大切なのでしょうか?

これには、まず様々なローンを比較して学ぶことが重要です。

金融機関には住宅ローンのほかに、どのようなローン商品があるでしょうか?

  • 自動車ローン(マイカーローン)
  • 教育ローン
  • (多目的)フリーローン
  • カードローン
  • 海外留学ローン
  • リフォームローン
  • 太陽光発電ローン

ちょっと挙げるだけでも相当な種類のローンがあることがわかります。

これらのローンと住宅ローンの大きな違いは何でしょうか??それは2点あります。

一つは借入額(お金が多額)、二つ目に借入期間(年月の長さ)です。

通常、住宅ローンは借入額が数千万円の単位となります。そして、借入期間は35年間で組む方が多いでしょう。

上記で列挙した他のローンだと、せいぜい長くても10年~15年が上限です。

お金を貸す立場の金融機関は、短い期間で貸すよりも長い期間で貸す方が返済不能リスクが高まります。

そのため、通常なら自動車ローンや教育ローンよりも、長期の住宅ローンのほうが金利を高くとることになります。

しかし、住宅ローンは金融機関が土地や建物といった財産を担保にするので非常に低金利となっているのが特徴です。

なので、お金を借りる立場の消費者からすれば、住宅ローンは最も低金利かつ長期間にわたって返済計画を立てられるという点で最高のローン商品だと言えます。

そんな多額かつ長期間にわたって返済していく住宅ローンですから、返済途中で何が起きるかわかりません。

ある人は交通事故に遭って死亡するかもしれません。

また、ある人は病気にかかって寝たきり状態になってしまうかもしれません。

そうなると、金融機関は貸したお金を回収できず困ります。

残された家族も借金を相続したら破産してしまうかもしれません。

そのようなリスクを軽減するのが団信ということです。

もし仮に、住宅ローンを返済途中で死亡しても団信(保険)から残債務すべてが一括で支払われることになるので、金融機関も残された家族も心配なく済むことになります。

団信の特徴

そんな便利な団信にはどのような特徴があるのでしょうか?

実は、あまり知られていませんが団信の保障内容は金融機関ごとで異なります。

大別して特徴を列記します。

  • 通常団信(基本的な団信。死亡・高度障害を保障)
  • ガン団信(基本的な団信にプラスしてガン保障まで付帯)
  • 3大疾病付き団信(ガンのほか急性心筋梗塞・脳卒中の保障)
  • 11疾病団信(生活習慣病などさらに広い保障)
  • ワイド団信(引き受け条件の緩い団信で既往歴や持病もOK)
  • 夫婦連生団信(夫婦どちらかに万一のことがあれば全額に団信を適用)

このように、最近の住宅ローン市場では金利を下げる競争では差がつけられないので、団信の保障内容を充実させることで他社との違いを出そうとアノ手コノ手で客引きをしているのが現状です。

ただ、1点だけ注意なのは団信の保障が手厚くなればなるほど金利が上がることが多いという点です。

金融機関には事前に団信の保障内容とともに金利上乗せの有無についてもヒアリングが必須です。

住宅ローンでは必ず適用金利とともに団信の内容も比較検討しましょう。

生命保険だからこその落とし穴!

先に記した通り、団信とは生命保険です。

非常に安心で使い勝手が良いのですが、その反面、誰でも加入することはできません。

結局のところ、生命保険ですから「健康な人」でないと団信には加入させてもらえないんです。

ここが非常に忘れがちな落とし穴です。

住宅ローンに関する相談を受けても、まずほとんどの人は金利や借入額のことは予習済みです。

最近はYouTubeなどネットに情報があふれているので簡単に比較できるからです。

しかし、こと自分自身の「健康状態」にまで気を配っている方は少ないものです。

直近の健康診断で医師から指摘を受けていたり、要検査の指示を放置していたり、持病があって服薬中であったりと様々な理由で団信に加入できない方がいます。

住宅ローンを借りるにあたって、通常の金融機関では「団信への加入を必須条件」としているところがほとんどです。

ですから、不健康な状態で団信に加入できないとなると「住宅ローンが借りられない」ということもあるんです。

健康はお金では買えません。普段からシッカリ摂生して運動不足を解消しましょう。

団信に入れない人は住宅ローンどうするの?

団信に加入できなかった人は住宅ローンを組むことは不可能なのでしょうか?

実際、ほとんどの金融機関は団信が必須条件ですので、〇〇銀行とか〇〇信用金庫、〇〇組合といったところでは借入はほぼ不可能です。

しかし、国が運営する独立行政法人に住宅金融支援機構とう組織があります。

「フラット35」というテレビCMの方が聞き覚えがあるかもしれません。

フラット35は住宅金融支援機構が貸し出す住宅ローンの1つです。

国が運営するだけあって、住宅取得者(消費者)を手厚く支援しています。

フラット35であれば団信への加入は任意で選択が可能です。

ですから、仮に不健康で団信に加入できなくてもフラット35の団信不加入を選択すれば住宅ローン借入れへの道は開けます。

また例外ではありますが、プロパー融資といって金融機関の支店ごとの決裁権の範囲で特別に融資を受けられることもあります。資産家や企業経営者などが中心です。

このように、住宅ローンで盲点になりやすいのが「自分自身の健康」です。

20代であれば少々無茶をしても不健康が表にはでませんが、住宅取得者のボリュームゾーンである30代に入ると途端に「不健康者」は多くなります。

健康はお金では一足飛びに解決ができない大切なものです。

住宅ローンを検討する際には、まず自分自身の健康状態を見つめ直してみるのも良いかもしれません。

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