在留資格と外国人
行政書士の業務でも華やかなイメージがあるのが「入管業務」ではないでしょうか。
本ブログでは入管業務の基本となる "在留資格" について取り上げます。
《 このページの目次 》
そもそも外国人とは?
さて、"在留資格"についてお話しする前に一つ確認です。
皆さんがよく口にする「外国人」とはどのような人を指す言葉でしょうか?
日本人からみる「外国人」は主に容姿から判断して区別した表現であることが多いでしょう。
それとは別に、法律の上で「外国人」はハッキリと定義されています。
出入国管理及び難民認定法(抄)
第2条
出入国管理及び難民認定法及びこれに基づく命令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
同条2号
外国人 日本の国籍を有しない者をいう。
このように非常にシンプルかつ明確に「外国人」は定義されています。
日本の国籍を持っていない人で、日本国内に滞在する人はすべて「外国人」となります。
ちなみに、外国籍のほかに「無国籍」の方もいますが、これもまた「外国人」です。
そして、ここからが本題です。
通常、外国人が海外から日本へ渡航してくるとき、飛行機を利用して空港から入国することが大多数です。
出入国港では入国審査官による外国人の審査が実施されており、外国人はその審査をパスしなければ日本に入国することができません。
その審査において "在留資格" が必須の条件の1つとなるのです。
出入国管理及び難民認定法(抄)
第2条の2
本邦に在留する外国人は、出入国管理及び難民認定法及び他の法律に特別の規定がある場合を除き、それぞれ、当該外国人に対する上陸許可若しくは当該外国人の取得に係る在留資格(~中略)又はそれらの変更に係る在留資格をもって在留するものとする。
在留資格の種類
このように、外国人にとって日本国内に滞在するために必須となる "在留資格" はどのくらい種類があるでしょうか?
これがなんと、全38種類!もあるんです。
全てを1つ1つ紹介することはできませんが、大別してご紹介します。
① 活動制限あり・就労は○の在留資格
この類型の在留資格は、資格ごとに一定の活動制限はあるものの、就労して収入を伴う事業を運営したり報酬を受ける活動が可能です。
主な在留資格
- 教授: 大学教授等
- 報道: 外国の報道機関の記者やカメラマン等
- 経営、管理: 企業等の経営者、管理者
- 教育: 高等学校、中学校等の語学教師等
- 技術、人文知識、国際業務: 通訳、デザイナー、語学教師等
- 技能: 外国料理の調理師、スポーツ指導者等
② 活動制限あり・就労は✖の在留資格
この類型は、活動制限もあり、かつ、終了も認められていない資格です。
主な在留資格
- 文化活動: 日本文化の研究者等
- 短期滞在: 観光客、会議参加者等
- 留学: 大学、専門学校、日本語学校等の学生
- 研修: 研修生
- 家族滞在: 上記①のような就労資格等で在留する外国人の配偶者、子
③ 活動制限なし・就労も○の在留資格
この類型は、いわゆる「身分・地位に基づく在留資格」となります。
他の在留資格とは異なり、身分関係による在留資格は非常に制限が少ない資格といえます。
主な在留資格
- 永住者: 永住許可を受けた者
- 日本人の配偶者等: 日本人の配偶者、実子、特別養子
- 永住者の配偶者等: 永住者、特別永住者の配偶者、我が国で出生し引き続き在留している実子
- 定住者: 日系3世、外国人配偶者の連れ子等
④ 個別に指定される活動による在留資格
この類型は、これまでの類型では当てはまらない外国人で個別の事情を考慮して与えられる在留資格です。
主な在留資格
- 特定活動: 在留ミャンマー人や在留ウクライナ人への緊急避難措置、ワーキングホリデー等
在留資格の申請、といえば「行政書士」
このように、 "在留資格” といっても多くの種類があり、それぞれの外国人の実情に合わせた類型があります。
外国人の方や、外国人を日本へ招聘したい日本の企業・団体の方にとって在留資格は非常に大切な法的地位といえます。
私たち、行政書士はご相談を通して外国人の方が適法に日本へ入国できるよう要件を充足する書類作成の専門家です。
「外国人」のことで疑問や悩みがあるときは、「そうだ、行政書士へ相談しよう」と気軽にお声がけください。