不動産ブローカーとは
あなたの周りに『不動産ブローカー』はいませんか?
『ブローカー』と聞いても ??? という方も多いかもしれません。
広義の定義でいう『ブローカー』は以下のようなものを指します。
広辞苑(無料検索より引用)
商行為の媒介を業とする者。仲買人。仲立人。
つまり、料金や手数料をもらって取引の仲介を行う人や会社のことですね。
その意味でいえば、今回の主題『不動産ブローカー』は普通の不動産屋さんを指しているともいえます。
一般の方から他の一般の方へと不動産取引を仲介することで手数料をもらう、という定義からすればまさに不動産屋さんそのものといえそうです。
しかし、実は不動産業界においてはそうではありません。
『ブローカー』と表現される場合、不動産業界では『もぐり』『無免許の違法業者』を意味するからです。
不動産業界を規制する代表的な法律に "宅地建物取引業法"(宅建業法) があります。
宅地建物取引業法(抄)
【第25条1項】
宅地建物取引業者は、営業保証金を主たる事務所のもよりの供託所に供託しなければならない。
【同条5項】
宅地建物取引業者は、前項の規定による届出をした後でなければ、その事業を開始してはならない。
ご存知の通り、不動産の取引は世の中にあるモノの取引では最も高額な部類といえます。
そのため、誰でも構わず不動産取引を仲介してしまうと社会経済が混乱したり、知識弱者である一般消費者がダマされてしまう恐れが高いです。
そこで宅建業法は前述のような法律をつくり、ただの一般個人では不動産業を開業できないように規制しました。
また併せて、この法律は不動産業者に対して、「営業保証金」という一定額のお金を供託所(国の機関)へ預けさせることで何か不足の事態が起きたときに一般消費者が賠償を受けられるように保護しています。
ここで冒頭の主題に戻ると、『不動産ブローカー』とは無免許であるにもかかわらず仲介等を行って手数料や紹介料を得る違法な会社組織や一般個人ということになります。
ただ、非常に難しい問題があるのは、不動産取引は扱うモノが高額であるだけに『友達』とか『地域の顔』であるといった人的つながりを信用として個人⇔個人で話がつながりやすいことが否定できないことです。
もちろん、このような信用や信頼の形成は全く問題ないのですが、前述のように宅建業法での規制目的は最終的に『問題の事前抑制と防止』であり、『問題が起きたときに一般消費者をどう救済するか』という点であることは大変重要な意義を持ちます。
つまり、仮に個人的に信用する『不動産ブローカー』がいたとしても、一たび取引に問題が生じてトラブルになったら当然ながら違法ですし「営業保証金」も供託していませんので賠償は難しいと考えられます。
「不動産屋」と聞くと何だか "アヤシイ" と思うかもしれませんが、適法に免許を受けて営業保証金も供託している不動産業者と『不動産ブローカー』のどちらが法的に信用されるかは想像できるのではないでしょうか。
当事務所では中立の第三者の立場から、取引の安全性や不動産業者の適法性も含めた不動産コンサルティングを行っています。
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