農地のランクを知ろう
"農地" と一言にいっても『ランク』があることをご存知でしょうか?
よく登記上の地目で「田」や「畑」となっているのが農地であるということは耳にする方も多いと思います。
しかし、農地転用の実務においては、農地に『ランク』付けをした上で運用がなされているのです。
今回は、この『ランク』について詳しく記していきます。(☆印が少ないとランクが低い)
第3種農地 ☆
市街地の区域内又は市街化の傾向が著しい区域内にある農地です。
農地に一団性が無く、建物が建ち並んだ街中に田や畑がポツンポツンと点在するようなイメージです。
このランクの農地であれば、一般基準という別の基準に抵触しない限りは原則として転用許可となります。
第2種農地 ☆☆
市街地化が見込まれる区域内にある農地及び他の農地区分のいずれにも該当しない農地です。
一般基準において許可できない場合や、周辺の他の土地で代替可能と認められる場合を除いて許可し得る農地です。
ある程度の一団性はある農地ですが、おおむね10ヘクタール未満の小集団の農地を指します。
宅地化が第3種農地と同程度まですすんでいる区域に近接する区域内で指定されることが多いです。
第1種農地 ☆☆☆
おおむね10ヘクタール以上の集団的に存在する農地で、土地改良事業施行区域内の農地であるなど良好な営農条件を備えている農地です。
このランクになると農地としての生産性が高くなり、過去に農地利用のため一定の公共投資を受けていることから原則として農地転用は「不許可」となります。
ただし、農業用施設等、一定の施設であれば許可となり得ます。
甲種農地 ☆☆☆☆
市街化調整区域内にある第1種農地のうち、特に良好な営農条件を備えている農地です。
第1種農地のレベルアップ版とでもいうとイメージしやすいかもしれません。
当然ながら、第1種農地よりも更に許可制限が強いので、転用許可は限られた条件の場合のみに絞られます。
農用地区域内にある農地 ☆☆☆☆☆
レベルMAXの農地です。
これまでご紹介してきた4種類の農地と比べて、段違いの強い制限がかかる農地です。
農業振興地域の整備に関する法律に基づき市町村が定める農業振興地域整備計画において、農用地等として利用すべき土地として定められた区域(これを農用地区域という)内にある農地となります。
別名『青地』などと呼ばれるこの農地は、農地法とは別の法律である農振法によって特別に指定されたエリアに存在します。
農用地区域にある農地は農用地利用計画で指定された用途に供されるもの等を除き原則として農地転用は不許可となります。
そのため、このレベルの農地を農地転用したいと思ったら、第一段階で「農振除外」という申請によって農用地区域から除外した上で、第二段階において「農地転用」の申請をすることになります。
時間・手間ともに通常の農地転用許可申請と比べても2倍以上と思っていただくとイメージしやすいと思います。
このように、農地はランク付けがなされており、これを立地基準といいます。
もし農地を転用したいと思ったら、まず最寄りの農業委員会においてその農地がどのような立地基準となっているのか確認することから全ては始まります。
そして、立地基準ごとに転用許可のし易さが異なりますので、それに合わせた申請手続きが必要となります。
私たち行政書士は農地転用に関するプロフェッショナルです。
立地基準はもちろん、その後にでてくる一般基準や転用目的ごとに定められた多くの申請書類を一手に作成することができます。
もし、農地を利用して何か計画をしたいと思ったら「そうだ、行政書士に相談しよう」と気軽に声をかけてください。